水に関するQ&A

水に関する質問

水の汚れの原因は、今と昔ではどう違いますか?
河川や湖沼、海域について考えてみます。
戦前の汚れは、家畜の糞尿を含めた生活排水の垂れ流しが原因をつくっていました。当時は水道設備が十分ではなく、河川水や地下水をそのまま生活用水としていたため、細菌やウイルスなどに汚染された水を飲用することがあり、このことにより赤痢・チフス等の伝染病で死亡する例が多数ありました。
戦後は工業化が著しく進展し、工業製品の大量生産に伴う副生成物や廃棄物が多量に発生しました。そしてそれらによって汚染された水が河川や海域にそのまま放流されたことにより、水俣病やイタイイタイ病に代表される深刻な公害問題が発生しました。また六価クロムや砒素・有機溶剤などといった有害物が工場敷地内で埋め立て処分されたため、これらは現在、土壌・地下水汚染という形で大きな問題となっています。
昭和46年に公害防止法が制定されて以来、現在では事業活動に起因する公害問題は殆どなくなりましたが、その一方で今度は生活排水が環境汚染の大きな原因となっています。生活排水は有害物を含まないものの、有機物やリン・窒素といったものが河川や海域の富栄養化の大きな原因になっています。更に大量消費・大量廃棄といった生活習慣の変化が廃棄物処理という、水環境とは別な問題を提起しています。
最近では、人類が作り出した化学物質による環境汚染がクローズアップされてきています。これらの化学物質は数万種ともいわれ、これらのうち人間も含め生物への影響が懸念されるものが登録され、その移動が監視されるようになりました(PRTR法)。登録されている化学物質は国によって異なり、米国では約650種、英国では約500種、わが国では462種類です(国内は12年10月現在)。これらの化学物質の中には微量でも人体に影響を与えるとされているものもあり、特に内分泌かく乱物質(いわゆる環境ホルモン物質)などは貝の性別異常、ヒトの精子減少の原因になっていると考えられています。これらのことから、飲料水基準の項目でも以前はなかった有機物質の基準が追加され厳しく規制されるようになりました。しかしながら、これらの膨大な化学物質が生物体にどのような影響を与えるのかはまだまだ未知の部分が多く、遠い将来への影響が懸念されます。
どれくらいまでの汚れであれば、水はろ過機を通して飲料水として再利用できますか?
水の処理法をろ過に限定しなければ、どのような水でも飲料水レベルまでの浄化は可能です。
高度処理をすればするほどコストが高くつくため、日本では排水を処理して直接飲料水にすることは殆どありませんが、水道料金が高い地域では工場排水を処理し、飲料水以上のレベルにして再利用している例はたくさんあります。シンガポールでは下水処理水を高度処理して飲料水にする計画が進行中です(隣国のマレーシアに水の供給を依存しているという政治的事情によると言われています)。
ろ過は原則として、水中の懸濁物質を除去する操作ですから、水道法で定める飲料水基準の項目の中では、色度と濁度が主な対象物質となります。基準値は色度が5度以下、濁度が2度以下です。溶解している成分などはろ過による除去は困難ですから、他の処理が必要となります。鉄やマンガンは地下水中では溶解していますが、酸化によって析出するのでろ過によって除去できます。大都市圏では最近、オゾンや活性炭を使った高度な処理が導入されていますが、これらは水源の悪化に対処するためと、更に味を良くするための両方の効果を狙ったものです。
以上の処理方法から逆に考えると、水道水源としては重金属などの有害物を含まないこと、生活排水等の汚染が少ないこと等が水質要件といえます。
水源に関するサイト
国土交通省 水資源局水資源部のホームページ(日本の水資源)
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/index.html
家庭でできる簡単な水処理にはどんなことがありますか?
水道水について考えて見ます。
日本の水道水は世界的にみて最も安全な部類にはいりますが、大都市圏では味覚や臭気が問題となることがあります。浄水場では水質管理が厳重になされていますが、末端までの配水設備が老朽化していたり、ビルの高架水槽が汚れていたりすることが原因で、時として濁った水が出ることがあります。そこで水道水については、「味覚をよくする」・「臭いを無くする」・「見た目をきれいにする」に焦点を当てれば浄水器の設置が有効でしょう。
浄水器はいろいろな種類が販売されていますが、上記の目的別に考えると次のような方法の組み合わせが良いと思います。
①味覚をよくする、臭いをとる
活性炭がよいでしょう。活性炭は水道水に含まれる残留塩素と有機物を除去する効果があります。これら2つの成分が水をまずくする大きな原因となっています。ただし、活性炭によって残留塩素が除去されるので、処理された水は殺菌性がなくなります。最近は抗菌性をもった活性炭が使われるようにもなってきていますが、飲料にあたっては貯めおきしないほうがよいと思います。
②濁りの除去
近年高性能のろ過素材が開発され、これが浄水器に使用されています。微小なポア(孔)をもった高分子膜で、濁質の完全な除去、更に細菌類の除去が出来るものがあります。従って浄水器の選定では、(1)活性炭量の多いもの、(2)高性能のろ過剤(高分子膜)を使ったもの、をお勧めします。
殆ど濁りが無くて味を良くするという目的ならば、備長炭や竹炭を容器にいれておきこれに水を通すだけでも味が良くなります。
環境保全のために家庭ではどんなことをすればいいですか?
家庭からの排出物について考えてみます。
家庭からの排出される水は、下水道または公共水域(河川など)に排出されます。何れの場合も排出負荷(量と濃度)を低くすることが大切です。近年では、公共水域の汚染は生活排水が大きな比重を占めているので、特に下水道が完備されていないところでは各家庭においてできるだけ排出物を減らすなどの環境に配慮した工夫が大切です。例えば、
①味噌汁やお酒の飲み残しをしない。
味噌汁は約20000ppm、ビールは約70,000ppmのBODを含んでいます。
魚が住めるBODは5ppm以下です。
②合成洗剤の使用量を減らすため、あぶら汚れなどは紙でふき取る。
合成洗剤は生物的に分解しにくいので下水処理後もいくらかが残留します。これに比べ油脂から作った石鹸は微生物で分解されるので環境への影響が少ないと言えます。 
③残飯を無くす (注)
などです。
下水道が整備されていない地域では各家庭に浄化槽が設置されていますが、浄化槽の管理をきちんと行うことも大切です。さらに、環境全体を考えた場合、排水だけでなく家庭から出るゴミの量を減らすことやリサイクルのための分別収集も重要なことです。
(注) 日本人成人の1日当たりの必要な熱量は約2200kcalです。これをブドウ糖に換算すると570gとなり、BODに換算すると320gです。成人の排泄物中の1日あたりのBODは13g程度ですから、人体におけるBODの摂取率は約96%となります。このことより残飯を出さないことが、如何に環境への負荷を低くするかが理解できます。
なぜ水道水はまずく感じるのですか?
水道水は、浄水場に取り込んだ原水(川の水や地下水)に薬品を加えて作られています。使われる薬品は、通常、沈殿効果を上げるための凝集剤と、滅菌剤としての塩素が使われます。原水の汚れが多いとこれらの薬品も多く使われることになり、その分、水の味を悪くする原因にもなります。しかし、水の味自体は取水源の水質に依存すると言って差し支えありません。水の味を悪くする成分はほぼ次の3つと考えられます。
①有機物
 いろいろな成分がありますが、近年では生活排水による汚染が主な原因です。水道法では全有機炭素(TOC)で3ppm以下と定められています。
(以前は、過マンガン酸カリ消費量として10ppm以下)  ②アンモニア性窒素
滅菌剤の塩素と結合してクロラミンを生成し、カルキ臭を与えます。塩素を多く加えればアンモニアは分解しますが、過剰の塩素臭が残ることがあります。
 ③カビ臭物質
 湖沼に発生する藻から出る成分で、極微量でもカビ臭の原因になります。特に夏期に発生しやすく、浄水場では活性炭を使って除去しています。
水の味は、水に溶けている成分で決まる訳ですが、次の項目がおいしい水の要件とされています。(旧厚生省 「おいしい水研究会」より)
項目 指標 内容
蒸発残留物 30~200mg/L 主にミネラルの量をあらわし、多いと苦味などが増し、適度に含まれるとまろやかな味がする。
硬度 10~100mg/L
(50前後がよい)
ミネラルのうちカルシウム・マグネシウムの量を示し、硬度の低い水はくせがなく高いと好き嫌いが出る。
遊離炭酸 3~30mg/L
(20以下がよい)
水にさわやかな味を与えるが、多いと刺激が強くなる。炭酸は利尿効果があるとされている。
過マンガン酸
カリウム消費量※注
3mg/L以下 有機物量を示し、多いと渋みをつけ多量に含むと水の味を損なう。
臭気強度 3  以下 臭いがつくと不快な感じがする。 
残留塩素 0.4mg/L以下 水にカルキ臭を与え、濃度が高いと水の味をまずくする。
水温 20℃ 以下 冷やすことによりおいしく飲める。10~15℃が適温。
※注 現在は全有機炭素(TOC)で表されています。TOCとして約1mg/L程度です。
最近テレビのコマーシャルで軟水という言葉をよく聞きますが、軟水とはどんな水でしょうか?
硬水でない水を軟水と言います。ここでは硬水について説明します。
硬水と言ってもその水が硬いわけではありません。硬水とはカルシウムやマグネシウム(硬度成分)を多く含む水のことを言います。硬度成分が多いと、お湯にした時に硬い(hard)スケール(缶石)ができることからこの名前がついたと言われています。また石鹸が泡立ちにくく洗濯がやりにくい(hard in washing)に由来するとも言われています。このことから硬度のことを英語でhardnessと言います。
硬度は水中のカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)を合計して、これを炭酸カルシウム(CaCO3)に換算した水1L中のmg数で表します。
軟水と硬水の境界は明確ではなく、WHO(世界保健機構)では次のように定めています。
軟水 0~60mg/L未満
中程度の軟水 60~120mg/L未満
硬水 120~180 mg/L未満
非常な硬水 180 mg/L以上
わが国の水道水では硬度が100mg/Lをこえることは滅多にありません。東京・名古屋・大阪の代表的な水道水の硬度は次の通りです。

東京 80~90mg/L (日本橋付近)
名古屋 20~30mg/L (木曽川水系)
大阪 35~40mg/L (淀川水系)
ヨーロッパでは硬度の高い水が多いとされています。日本人旅行者がいきなり硬度の高い水を飲むと下痢症状に見舞われることがあります。
名古屋の降水は酸性雨ですか?酸性雨にあたっても健康に問題はありませんか?
昭和59~62年のデータでは、名古屋の降水の水素濃度は最低pH4.3、最高pH6.7、平均pH4.7です。そして平成5~9年のデータでは平均pH5.2ですから、酸性度はかなり改善されていますが、pH5.6以下が酸性雨とされているので、名古屋の降水は酸性雨と言うことになります。
この程度の酸性度では人体に直接の影響はありませんが、大気の汚れを多く取り込む降り始めの雨に当たるのは、なるべく避けたほうがよいと考えます。ただし、長期的に見た場合、森林や土壌の酸性化が懸念されます。
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